製品情報 / Product

ハイスタードPSS-5

製品概略

ハイスタードPSS-5は、弊社が多層抄合板紙用のスプレー澱粉として永年にわたる実験室並びに製紙工場での経験をもとに開発した製品で、層間接着強度、紙中歩留などの点で優れた性能を備えた加工澱粉です。

ハイスタードPSS-5の特徴

接着強度に優れる

PSS-5は、板紙の種類、抄紙機、抄紙条件等の各変化に対し、常に優れた層間接着強度を発揮します。

 

糊化温度及び接着強度

PSS-5の糊化開始温度は、各種澱粉に比較して低く設定されていますから、 湿紙への澱粉スプレー後、低温度、高速度で乾燥を行う場合でも十分接着力を発揮します。

 

排水負荷への影響

PSS-5は、特殊加工したスプレー用澱粉ですから、コーンスターチ等に比較して紙中歩留率が高く、 白水中のBOD、COD負荷を増加させません。

 

目詰まり防止

PSS-5の粒径は、10~25ミクロンの範囲に揃っている為、スプレーノズルでの詰まりは全く生じません。

 

安定性

PSS-5は、コーンスターチを原料とした加工澱粉ですから、馬鈴薯澱粉及びその加工澱粉に比較して品質安定性に優れています。

 

水への分散性及びスラリー状態での安定性

水への分散は良好で、常温付近特に夏場に水温が上昇する場合に於いても、PSS-5のスラリーは長時間安定に保たれます。

 

 

 

ハイスタードPSS-5の一般性状

項目 性状
外観 淡黄色粉末
水分 13.5%以下
粒度 80メッシュ篩全通過
pH 6.5±0.5
糊化開始温度 52.5±3.0℃

 

 

 

ハイスタードPSS-5と各種澱粉の粘度及び糊化温度の比較

澱粉名 濃度
(%)
糊化温度
(℃)
最高粘度
(mPa・s)
最低粘度
(mPa・s)
冷却粘度
(mPa・s)
PSS-5 10(25) 60(52) 890 110 230
コーンスターチ 10(25) 73(67) 3410 1250 2600
アセチル化馬澱粉 7(25) 64(61) 4900 1250 1730
アセチル化タピオカ澱粉 7(25) 67(64) 2940 1030 1550
S-4(市販尿素燐酸澱粉) 10(25) 47(40) 360 80 110

 

 

 

PSS-5の特性

 

Ⅰ. 層間接着強度

 

試験方法

抄紙条件

【抄紙機】実験室用角形シート抄紙機
【パルプ構成】
・第1層 NBKP100%、CSF350ml、坪量140g/㎡
・第2層 市販中質紙:GP=4:6、CSF350ml、坪量60g/㎡
【抄紙pH】6.5(硫酸バンド:対パルプ6%)
【塗布量】0.75、1.5、3.0g/㎡

 

乾燥条件

a)85℃、60秒(熊谷式ドラムドライヤー)
b)30℃、16時間(熱風乾燥機)

 

調湿

23℃、50%、24時間(恒温恒湿室)

 

測定方法

TAPPI剥離強度(kgf/6.25㎠)

 

 

 

 

結果

PSS-5は未加工澱粉に比較して高い接着強度を示し、又、市販尿素燐酸澱粉(S-4)と比較しても良好な特性を有しています。

 

  澱粉塗布量(g/㎡)
澱粉  0 0.75 1.5 3
PSS-5 16.5 21.5 26 29
アセチル化馬澱 16.5 21 24 26.4
コーンスターチ 16.5 18.3 21.2 24.1
S-4 16.5 21.4 25.3 27.6

 

 

 

 

Ⅱ. 紙中歩留

 

試験方法

抄紙条件

【パルプ構成】段ボール古紙100% CFS350ml
【硫酸バンド】対パルプ2%
【澱粉添加量】対パルプ4%


上記パルプスラリーにあらかじめ所定の澱粉を添加し、実験室用角形シート抄紙機中の水位を10cmとした中に入れ、 抄紙、脱水後に澱粉含有量をアンスロン硫酸法により測定。 測定した澱粉から古紙由来の澱粉量(澱粉無添加のブランク品の澱粉量)を差し引いた値と添加澱粉量から下記式により歩留を求めます。

 

歩留(%)=(全澱粉量-古紙由来の澱粉量)÷添加澱粉量×100

 

 

 

結果

澱粉の留まりにくい古紙パルプであるにもかかわらず、PSS-5はコーンスターチ、アセチル化タピオカに比較し高い歩留を示しています。又、比較的歩留の高い馬澱原料のものに対しても同等の値を示しています。